Datadog 料金(日本):ホスト・APM・ログの費用はどう決まるか
日本AP1のDatadog料金をホスト、APM、メトリクス、ログに分けて解説。30日ログの計算と索引率で変わる費用、日本の設置条件、Guanceとの選択を整理します。
Datadog の料金を見積もるなら、ホスト単価より先に、どのデータをどこまで検索できる状態で残すかを決めたいところです。特にログは、取り込んだ量とインデックスに残す件数で料金が分かれます。全部を30日間検索できる構成と、重要な10%だけを残す構成では、同じアプリケーションでも費用が大きく変わります。
日本国内の SaaS 拠点が必要なら、Datadog AP1 は有力な選択肢です。すでにアプリケーション調査や通知を Datadog で回しているチームも、まずログの索引率やメトリクスの増え方を見直す価値があります。一方、幅広いログを残したいのにその費用が制約になっているなら、Guance のように異なる計量方式を持つサービスも比較対象になります。ただし、Guance の公開 SaaS 拠点一覧に日本はなく、国内設置が必須なら価格より先に提供形態を決める必要があります。
Guance編集部。2026年10月27日に公式価格と仕様を確認しました。Guance は本文で比較する製品の提供者です。金額は条件を明示した公開単価の計算であり、顧客の請求書や性能試験の結果ではありません。
日本の AP1 と、見積もりに使う価格表
Datadog の site 一覧では、AP1 は日本、URL は ap1.datadoghq.com です。site は独立しているため、日本語のページを見ているかではなく、実際のアカウントの site を確認します。ここでは ?site=ap1 を指定した AP1 の公開価格表を使います。
日本拠点を選べることは、国内でデータを扱いたいチームにとって具体的な利点です。一方、バックアップ、サポート時のアクセス、製品ごとの対象は契約で定まります。USD の公開単価を円の予算に直す場合も、請求通貨と適用為替、消費税を使います。
ホスト料金と APM の購入方式
下表は USD の主要単価です。年額請求の欄も「1か月あたり」の単価であり、年間総額ではありません。実際の支払いでは契約上のコミット数量、含有枠、超過分を反映します。
| 製品メーター | 年額請求 | 月額請求 | オンデマンド請求 |
|---|---|---|---|
| Infrastructure Pro、ホスト/月 | US$18.75 | US$22.50 | US$22.50 |
| Infrastructure Enterprise、ホスト/月 | US$28.75 | US$33.75 | US$33.75 |
| APM、APM ホスト/月 | US$38.75 | US$45.00 | US$45.00 |
| APM Pro、APM ホスト/月 | US$43.75 | US$52.50 | US$52.50 |
| Container Monitoring、コンテナー/月 | US$1.25 | US$1.25 | — |
| Container Monitoring、コンテナー時間 | — | — | US$0.0025 |
| Custom Metrics、100件/月 | US$6.25 | US$6.25 | US$6.25 |
| Ingested Custom Metrics、100件/月 | US$0.125 | US$0.125 | US$0.125 |
| ログ取り込み、GB | US$0.125 | US$0.125 | US$0.125 |
| 索引ログ、100万件、30日保持 | US$3.125 | US$3.75 | US$4.6875 |
| APM 取り込み超過分、GB | US$0.125 | US$0.125 | US$0.125 |
| 索引スパン、100万件、30日保持 | US$3.125 | US$3.75 | US$4.6875 |
APM の US$38.75 は Infrastructure Monitoring と併用する購入方式の単価です。この方式では APM ホストに Pro または Enterprise の Infrastructure Monitoring が必要です。AP1 の価格 FAQは単独購入も案内しており、Infrastructure なしの単価は APM が US$45、APM Pro が US$51.25、APM Enterprise が US$58.75/ホスト/月です。
年額の公開単価で Infrastructure Pro と基本 APM を1ホストに組み合わせると、基本料金は 18.75 + 38.75 = US$57.50/月。APM 単独なら US$45/月です。前者には Infrastructure が含まれるので、安い方の数字だけを選ぶのではなく、ホスト監視も必要かで決めます。ログ、超過データ、追加製品などはこの足し算に含まれません。
台数とメトリクスの増え方が予算を変える
Infrastructure のホスト数は、単純な月平均ではありません。Datadog は毎時間の使用量を計測し、上位1%を除いた残りの最大値を月の高水位として扱います。昼間だけ増える Kubernetes ノードも、短時間しか動かないからほぼ無料、とは限りません。ホストの計量方法
標準の Infrastructure Pro 含有枠には、1ホストにつき100 Custom Metrics、100 Ingested Custom Metrics、5コンテナー、500 Custom Events が示されています。基本 APM は1ホストにつき月150 GBの取り込みスパンと、既定で15日保持の100万インデックス済みスパンを含みます。適用される枠を引いた後の超過量を、表の単価で計算します。
カーディナリティ型の Custom Metrics では、名前が同じでもタグ値の組み合わせが増えると系列数が増えます。顧客 ID やリクエスト ID を付けると、少数のメトリクス名から大量の系列が生まれます。さらに Ingested Custom Metrics の計量は、Metrics without Limits™ でタグや集計を設定したメトリクスが対象です。未設定のメトリクスに indexed と ingested の料金を一律に重ねないようにします。Custom Metrics の課金
別契約の Metric Name Pricingは、名前とデータポイントを使うモデルです。ここへ系列数ベースの単価を当てはめることはできません。APM も受信した span と検索用に保持した span を分けます。含有枠を超える indexed spans の年額単価は100万件あたり7日 US$1.5875、15日 US$2.125、30日 US$3.125です。APM の計量
ログの費用は「受け取る」と「検索用に残す」で分かれる
Datadog のログ取り込みは非圧縮 GB、Standard Indexed Logs は保存するイベント数と保持期間で計量します。AP1 の年額単価では、取り込みが US$0.125/GB、30日保持の索引が US$3.125/100万イベントです。インデックスの設定
除外フィルターは、受け取ったログのうち索引に残す量を減らせます。すでに取り込んだ GB は消えないので、取り込み自体を減らすなら送信前のフィルターが必要です。調査でよく使うログは索引に残し、低頻度の記録を別経路に置くと予算を調整できます。Flex Logs、アーカイブや再取り込みには別の費用があり、Standard の料金だけで全体を表すことはできません。
Guance の標準ログの課金は別の形です。香港・グローバル地域の既定の件数方式では、30日保持で「その日に追加した計量対象100万件」あたり US$0.60。これを使うと、調査で残したいログの量から費用を組み立てられます。索引率を低くする前提と、広い範囲を残す前提では、比較結果も変わります。
Guance の計量件数は、アプリケーションが出した行数と常に一致するわけではありません。大きなログの分割閾値は ES で10 KB、SLS で2 KB。複数索引、イベント、自作の Synthetic データも計量に関係します。以下はそれらが追加されない例です。計量ルール
1日100万件を30日残すとどうなるか
毎日1 GB(十進単位)、100万件のログが届くと仮定します。各ログは Guance の分割閾値以下、期間は30日。Datadog は AP1 年額公開単価で全件を Standard 索引に残し、Guance は香港・グローバル地域の既定件数方式で計算します。税、サポート、割引、アーカイブ、再取り込み、転送、パイプライン、スキャン、移行費用は含めません。
| 項目 | 公開単価による式 | 30日間の小計 |
|---|---|---|
| Datadog AP1 ログ取り込み | 1 GB/日 × 30 × US$0.125 | US$3.75 |
| Datadog AP1 索引ログ | 100万件/日 × 30 × US$3.125 | US$93.75 |
| Datadog AP1 小計 | US$97.50 | |
| Guance 件数方式の小計 | 100万件/日 × 30 × US$0.60 | US$18.00 |
Datadog の小計 US$97.50 のうち、US$93.75 は索引です。ここでは取り込み GB を少し減らすより、どの記録を30日検索可能にするかの方が金額に効きます。Guance の US$18.00 との差は81.5%ですが、この入力だけの結果です。APM、RUM、Infrastructure、検索性能や運用を含めた製品全体の差ではありません。
G を1日の非圧縮 GB、E を1日のイベント数(100万件単位)、p を Datadog の索引率とすると、この例は次の式になります。Guance 側は分割などがなく全件を数える前提です。
Datadog = 30 × (G × 0.125 + E × p × 3.125)
Guance = 30 × E × 0.60
索引率を変えると、安い方も変わる
同じ1日1 GB・100万件のまま、Datadog の索引率だけを変えます。Guance 側は全件を保存する計算を維持します。
| Datadog 索引率 | 1日の索引件数 | Datadog AP1 月額 | Guance 月額 | Datadog比のGuance差額 |
|---|---|---|---|---|
| 10.0% | 0.100M | US$13.13 | US$18.00 | -37.1%(Guanceの方が高い) |
| 25.0% | 0.250M | US$27.19 | US$18.00 | 33.8%低い |
| 34.4% | 0.344M | US$36.00 | US$18.00 | 50.0%低い |
| 50.0% | 0.500M | US$50.63 | US$18.00 | 64.4%低い |
| 100.0% | 1.000M | US$97.50 | US$18.00 | 81.5%低い |
同額になるのは索引率15.2%、つまり 3.75 + 93.75 × 0.152 = 18 のときです。34.4%は同額の点ではなく、Datadog が US$36になり Guance がその半額になる点。10%まで絞れば Datadog の方が安くなりますが、Standard 索引に残す記録も10分の1です。
ここから分かるのは、先に必要な検索範囲を決めるべきだということです。全件を残す必要があるチームと、重要な一部をすぐ検索できればよいチームは、同じ単価表から違う結論になります。契約割引や Flex Logs、Guance の分割後件数を入れれば、境目はまた変わります。
Guance には30日保持 US$0.17/日次書き込み GBの流量方式もありますが、既定ではなく担当者による有効化が必要です。件数方式と足し合わせず、適用される契約の方式で計算します。
日本で使い続けるための判断
国内 SaaS 拠点、既存の Datadog 通知や調査画面、運用担当者の習熟が重要なら、AP1 を使い続ける価値は大きくなります。すでにコミット済みの費用が残る期間に別製品を追加すると、単価が低くても支払い総額はすぐには減りません。まず現行構成の索引率、保持、系列数を整理する判断が堅実です。
広いログ範囲を保存したい、しかも必要なアプリケーション調査をマネージドサービスで揃えたい場合、Guance の件数方式は比較しやすい選択肢です。ただし 公開サイト一覧の AP1 は AWS シンガポールで、Datadog AP1 の日本とは異なります。日本 SaaS 拠点は掲載されていません。国内設置が必須なら、Guance の Deployment Planは別の提供形態として見積もり、上の SaaS 単価を流用しません。
移行では保存済みクエリ、ダッシュボード、通知、過去データも資産です。既存 DDTrace の接続経路は日本向け接続ガイドに分けていますが、プロトコルが使えることと、これらの資産がそのまま移ることは別です。単価差を使い切るほど再構築が必要なら、すぐに置き換える理由は弱くなります。
最後の見積もりには、利用する RUM セッション、Replay、API・ブラウザテスト、ネットワークやセキュリティ製品、サポートプランを加えます。公開単価は予算の構造を理解するために役立ちます。購入判断は、実際に残したいデータと、毎日使う調査の範囲に対していくら払うかで決めるのがよいと思います。